魔道具
遠い昔、賢者が人々に伝えた道具。最初の魔道具は無から水を生む道具だったという。
条件が揃う事で魔道具が生まれ、条件を人工的に整える事で大量生産出来る魔道具もある。しかし条件は様々で曖昧で、突発的に生まれる魔道具も少なくない。
魔道具を使うと共通して副作用が起きる。それは歪み。見えない所に静かに溜まっていき、歪みは怪異や門に変化する。
但し、怪異や門が発生する確率はこの世界はあまりない。
怪異
魔道具が生む歪みが一定に溜まった結果、何かに触れる事で形を成し、人間に害を為す。触れる何かは何でも構わず、感情、道具、属性、生物…と順応性の高い事からかなりの怪異が生まれる。
良く湧くのは人の悪意に触れたことで生まれる、真っ黒な人型の四つ足の怪異、「悪意」。
脅威度は怪異によって完全にランダムであり、一般人が自衛できる程度の弱さから、都市1つを滅ぼせるくらい強い怪異も存在する。
…当然、そんな曖昧な存在だからこそ、例外なんて幾らでもいるが…どれも危険なことに変わりはない。
門(人外について)
歪みから生み出されるものは怪異のみにあらず、稀に異世界と共鳴することでこの世界と異世界を繋ぐ門が開く。この門は一時的なものであり、潜ったりすればすぐに消え、元に戻るのは非常に難しいだろう。
どういう因果か、その門を得てやってきた異世界の人間や魔物なども少なくなく、新東京の1%程度の人口を誇る。基本的には政府が保護して人権を付与するのだが、妙な組織に捕まり、いいように扱われている人外も少なくない。
新東京
20年前、東京がくり抜かれた後に再開発された東京。魔道具に頼らない街づくりを目指し、インフラなどは現実の現代と同様の設備で作られており、一部政府機関などもこちらに移っていることから、現代の現実の東京と遜色がないほどに栄えている。
通常とは違う点が2つ。
まずは1つ、東京の上空に黒い球が浮いていること。この黒い球は旧東京であり、雫が滴り落ちる様に新東京へ怪異や魔道具、そして人を落としている。政府組織は対旧東京対策委員会を発足しており、旧東京から滴る様々なものの回収にあたっている。
そしてもう一点は魔道具の所持が違法であること。
これは都市の理念に加え、魔道具の使用が歪みを生み、怪異などの災害に発展する可能性を考慮してのことである。合法的に魔道具を使うためには政府へ認可証を発行して貰わないといけない。ちなみに対策委員会は魔道具を所持しており、主に怪異の撃破や魔道具の盗難の防止に利用している。
…ああ、忘れていた。最近新東京では単発銃の所持が合法になる法案が可決された。
これは都民が怪異やスカベンジャーへの自衛手段として可決された法案になる。銃犯罪の増加も危惧されたが、それ以上の脅威として怪異や魔道具が危険視されているのだ。
旧東京
20年前、賢者によって東京がくり抜かれた。
その後どうなったか?東京は闇に覆われ、東京の上を浮いている。
これが観測できた上で、新たな東京が建ったことにより旧東京、新東京と差別化がされたのだ。
中の様子は把握出来ず、規模は広い。23区を丸々飲み込んだ状態で空に浮いているのだ。規模としては非常に大きいだろう。
その上、その旧東京からは怪異、魔道具、人が滴り落ちてくるのだ。基本的には対策委員会が回収するがたまに魔道具はスカベンジャーに掠め取られる。
余談だが、合法に使える魔道具として砲台があるらしい。そこに人を詰め、旧東京に向けて射出するとーーなんと旧東京の中に入り込めるそうだ。
旧東京から生還した例がない事から、現在は決死前提の調査や、スカベンジャーの処刑の1つに使われている。